2021年3月26日 2021年11月13日
当ブログではゲーム業界に関する様々な情報を扱っています。
内容は上辺の情報ではなく、より現場の肌感に近いものを意識しております。
今回は、15年以上のゲーム業界でのキャリアを持ち、
実際に大手を複数社経験した筆者が持っている知識と最新の情報を精査した上で
独断の大手ゲーム会社の年収ランキングを作成いたしました。
それぞれ「平均給与」「最高収入」「最低収入」「ボーナス幅」「昇給」の5つにおいて
分析しております。分かる範囲においては平均年収を30歳と40歳の2つの年代で表しています。
なお、今回のランキングは基本的に正社員と契約社員が対象です。
また、よくあるランキングで
スクエアエニックスHDやバンダイナムコHDの給与が極端に高い場合がありますが、
あれは現場とは関係ない世界なのでHD(ホールディングス)系は省いています。
こちらの記事を参考に、これから転職を考えている方の参考になれば幸いです。
目次
第8位タイ セガ

みなし残業代が無くなり、残業できない人には痛手に
大手3社を同率8位といたしました。
まず1つ目が老舗のセガです。
セガは近年みなし残業代として入っていた給与が引かれました。
これによって、残業しない人にとってはただ給与が減る事態となってしまいました。
代わりに残業代がしっかりと出るため、残業する人としない人で給与に差が生まれるようになりました。
会社としては残業を減らすための施策なのですが、
必要以上に残業をして手当を貰う事が出来る仕組みになっったというわけです。
平均的な給与については決して高くなく、一部のベテランを除くと
大手の中では下位と言えるでしょう。
昇給も高いとは言えません。
しかし、優秀な中途入社として1000万円を超えるプレイヤーもいるのも事実です。
この辺りの給与レンジの広さは、さすが大手といったところでしょうか。
給与を重視する場合は、昇給を期待するのではなく入社時の年収設定に注意しましょう。
ちなみに休暇についてですが、
大手の中でも特に有給が取得しやすい印象です。
夏季休暇や年末年始の休暇も長く設定されています。
ワークライフバランスを重視する方にはおすすめです。
関連記事:セガに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第8位タイ カプコン

タイトルとポジション次第ではインセンティブに期待
基本的に平均年収は低めです。
評価も部署や上司次第ですので運の要素あります。
ボーナス支給は無く、年収を16で割ったものが月収となります。
月収とは別に年2回、2か月分が追加で支払われるといった形です。
もともと16で割っている為、月収自体は低めです。
特に新卒や未経験の入社にとっては最初はつらいところでしょう。
550万円辺りが1つの大きな壁です。
特徴は、有名タイトルのインセンティブです。
全世界でヒットしたタイトルのインセンティブの場合、
関わっていた割合と年月に応じて、数百万以上のインセンティブが出た人もいます。
夢のある話ですね。
しかしこれはあくまで一部の例であり
そこそこのポジションで有名タイトルに携わり、更にヒットしなくてはなりません。
なお、昨今の状況では一昔前とは異なり
ヒットタイトルが連発している事もあり、給与の見直しがなされました。
ここ数年で中堅社員の一部がベースアップしています。
ある意味今が一番脂がのっている会社と言えるでしょう。
なお、本社が大阪の会社ですので
しっかりと腰を据えたい方は東京支社よりも大阪本社で働くことをおすすめします。
年収に限らず、勤務地や仕事内容などの情報を知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:大手ゲーム会社の特徴と採用求人【任天堂 / スクエニ / カプコン / バンナム / Cygames / ゲームフリーク / コナミ / DeNA】
関連記事:カプコンに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第8位タイ スクウェア・エニックス

平均給与の低さが目立つが給与レンジの幅が非常に広い
有名なタイトルが多い会社ですが、
給与の中央値は恐らく今回の最下位でしょう。
中央値とは「上からも下からもちょうど真ん中の人の値」です。
平均値より肌感に近い数字ですね。
転職の雇用形態は基本的に契約社員が多く
正社員からスタートするにはそれなりのキャリアが必要です。
20代で転職した場合、契約社員で500万円貰えれば御の字でしょう。
ちなみに30代で300万円~400万円の社員は多くいます。
一部の出世した人は35歳750万円、40歳950万円辺りでしょうか。
新卒からしっかりと評価されれば30歳で600万円に届きます。
この600万円が1つの大きな壁ですね。
20年以上在籍する人などは1200万円を超える場合もあります。
いわゆる「レジェンドクラス」のプレイヤーが多いのが特徴ですね。
良くも悪くも個人次第といったところでしょうか。
若手で年収重視の方にはお勧めできませんが、
キャリアを積んだ優秀なベテランの転職には良いでしょう。
関連記事:スクウェアエニックスに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第7位 コナミ

年棒制から賞与制への移行で変化が
パワプロやウイイレといったスポーツ系に強いコナミが第5位にランクインです。
新卒であれば、30歳時には550万位でしょうか。
この辺りはゲーム大手のちょうど真ん中位のイメージです。
コナミは最近まで年棒制を採用していましたが、賞与制に移行しました。
これによって賞与でのバラツキが給与に反映される為、
個人差が高くなったと言えるでしょう。
ただ、給与制度についてはコロコロ変わる為
長期的な意味での期待は禁物です。
また、多くの会社でも言えることですが
部署による違いが大きく、有名タイトルに関われるかどうかがカギとなります。
有名タイトルは売上次第で賞与の増額が期待できる反面、繁忙期の残業が見込まれます。
なお、基本は固定給なので残業はプラスになりません。
その上他の大手と比べて体育会系の要素が強い為、
残業を当たり前とする上司に当たるリスクがあります。
そういった風土が苦手な方は、事前に部署ごとの特色を調べておく必要があるでしょう。
部署ごとの特徴を知りたい場合は、転職エージェントがおすすめです。
転職エージェントに関する記事はこちらからご覧ください。
関連記事:ゲーム業界におすすめの転職エージェント9社を徹底比較
関連記事:コナミに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第6位 アカツキ

ベンチャーながらもバランスの良さが魅力的
今回紹介する中で最も新進気鋭と言える会社です。
ゲーム事業のみならず、アミューズメント施設の運営も手掛ける
総合エンターテインメントを得意とします。
新卒で入社しても、中途で入社してもそれなりの給与水準がある印象です。
特に中途の場合は前職の給与がしっかりと考慮される為、
800万円を超える人もいます。
なお、契約社員にボーナスは支給されません。
ここで正社員との開きが出ます。
また、月45時間以内はみなし残業とされ、
残業代が出るのは45時間以降となります。
爆発的なヒットタイトルはないものの、
順調な経営を見ると今後の展望にも希望が見えます。
ゲームそのものよりも総合的なエンターテインメントを生業としたい方には
おすすめの会社と言えるでしょう。
第5位 Cygames

年功序列によってベテランが有利
Cyber Agentを母体とするCygamesが第5位にランクインです。
昨今のスマホゲームではヒットを連発する会社であり、
近年ではハイエンドゲームの開発もアナウンスされています。
正社員への待遇は厚く、基本的に年齢に応じた給与が支払われます。
30歳で600万円、40歳で750万円といったところでしょうか。
更に、CAの福利厚生で有名な会社の近くに住む場合には住宅手当も完備されています。
また、正社員の一部には役職手当もあります。
契約社員はボーナスが正社員の半分になる為、年収に開きが出ます。
通年で約2か月分程下回るとみて良いでしょう。
その点を考慮しても、下位にランクインした会社に比べて
最低年収も高いとみて間違いありません。
新卒入社の場合は最初から正社員ですから、
他の大手と比べても十分な金額を受け取ることができます。
なお、正社員の割合は決して多くない為、
中途で入社する場合は要注意です。
自分の経歴やスキルに自信があれば、正社員登用を存分にアピールすべきでしょう。
関連記事:Cygamesに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第4位 バンダイナムコ

基本給をボーナスでカバー
バンダイナムコはゲーム業界で日本3位の規模を誇る会社です。
IPの強さはもちろん、様々なアミューズメントが成功しており、
KONAMI、カプコン、スクウェア・エニックス以上の売り上げを持っています。
最近ですと大乱闘スマッシュブラザーズの完全受注でも話題になりました。
実はバンダイナムコが作っている事を知らない方もいたのではないでしょうか。
さて、給与の方ですが基本給は平均的です。
代わりに賞与幅が非常に広く、12か月分の賞与が出たという人もいます。
ですが基本的に業績に応じる為、安定的ではありません。
また、冬の賞与は2か月固定です。
モデルケースですが、30歳で800万円という方もいます。
セガ、カプコン、スクウェア・エニックスではなかなか難しい数字だと言えるでしょう。
課長クラスですと800万円~1000万円強辺りが望めます。
部長クラスでは1400万円辺りまでがレンジです。
この時点で他の会社よりも夢がある事が言えます。
ですが前述の通り、賞与に頼る部分が大きい為その点に注意しましょう。
また、若くて優秀な人材であればどんどん出世できる環境があります。
意外とゲーム業界でそういう会社は珍しいです。
(いくら実力や意欲があっても大幅な昇給は難しいという会社の方が普通です。)
賞与の乱高下を受け入れられる、
若くて優秀な方には是非チャレンジして頂きたい企業です。
関連記事:バンダイナムコに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第3位 ゲームフリーク

ゲーム業界随一の最高収入を狙える
ゲームフリークはポケットモンスターを制作する開発会社です。
求人には最高2000万円を超えるものも掲載されており、
業界内でも高給のイメージが定着しています。
実際の所、求人にあるような金額ではなく、年収400万円程の人材も多くいます。
また、ボーナスの割合が大きい反面、基本給が少ないです。
つまり会社の業績次第で年収の変動がああるため、一定のリスクがあります。
モデルケースですが、40歳で非常に優秀な人材が転職した際には
一社員でも年収が1500万円を超える場合もあります。
この金額は他の大手企業では部長クラス以上です。
ゲーム業界ではまず見られません。
注意点として、契約社員と正社員の壁が大きい点が挙げられます。
オフィスにも契約社員が入れないエリアがあったり、研修が受けられなかったりといった
他の会社には見られない風習があります。
高年収を狙うには、正社員での採用が必須です。
なお、ポケモン以外の謳い文句もありますが、実質的にポケモン一択です。
また、社内の技術レベルも他の会社とは一線を画す為、
スキルアップ等を望む転職ではなく、年収を重視する方におすすめです。
関連記事:ゲームフリークに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第2位 DeNA

新卒とエンジニアが特に有利
DeNAはゲームだけにとどまらず、様々なビジネスを展開する企業です。
売上高もすさまじく、平均的な給与も一般的なゲーム業界とは異なります。
新卒は特に他の会社と比べて給与が高く、
20代で800万円に届くことも可能です。
30歳までは順調に伸びますが、その後は人によって差が開きます。
また、エンジニアは総じて年収が高く、1000万円以上貰う人も少なくありません。
基本的には年棒制ですが、夏冬合計1か月分のボーナスが出ます。
月給は年棒÷13と考えて良いでしょう。
ボーナス幅が無い分、安定的な収入を得ることが出来るでしょう。
なお、中途入社の場合、入社時の給与からなかなか上がりづらい印象があります。
明確な成果を出せば勿論上がりますが、優秀な人材が多い中では難易度が高いです。
昇給は年次で上がるというよりも、成果を出した際に上がると認識した方が良いでしょう。
いずれにしてもここまでの給与水準が出せる会社はゲーム業界にはそうありません。
コンシューマー向けゲームを作りたい方にはお勧めできませんが、
スマホゲームの開発で年収を重視する方は視野に入れてはいかがでしょうか。
関連記事:DeNAに転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
第1位 任天堂

年功序列の強さと残業代支給のホワイトさが魅力
第一位は任天堂です。
ハードウェアとソフトウェア両方のコンテンツを持つ
日本最強のゲーム会社と言っても過言ではないでしょう。
最大のポイントはガチガチの年功序列です。
近年、実力主義の流れを汲みつつあるとしても
年齢に応じた給与水準がベースとなっています。
残業代が十分に支給される為、
同じ年齢の場合はその分で差が開く場合が多いです。
また、他の会社では30代後半辺りから昇給が鈍ったり、人によって横ばいになったりしますが
この会社は上がり続けます。
そのため、新卒から長く勤める人が多いのも特徴でしょう。
中途入社の場合、前職の年収が考慮されますが、年齢給がベースにあるため
大幅なアップが期待できない場合もある点に注意しましょう。
なお、ボーナス幅も非常に高く、
近年の好業績もあって半年分の賞与が出るケースもあります。
やはり会社としての底力を感じます。
関連記事:任天堂に転職 / 就職したい!求人の採用基準と向いている人材を解説
まとめ:キャリアや雇用形態によって大きく変わる点に注意
いかがでしたでしょうか。
今回はゲーム大手の「正社員」および「契約社員」に焦点を当てた
年収のランキングを独自に調査し、発表いたしました。
今回のランキングは、あくまで「こういった傾向がある」という指標ですので、
実際の年収には個人差があることにご注意下さい。
とはいえ、よくある年収データベースなどに比べると
かなりリアルな仕上がりになったかと思います。
下位には一般的にも有名な会社が並びましたが、
総じて言えるのは「年収が低い人が一定数居る」という点です。
逆に言えば、年収が高い人も多く在籍しており、
むしろ中位にランクインしたベンチャー寄りのグループの方が
上と下のレンジが狭い様に感じます。
1位の任天堂は当然ですが、個人的には4位のバンダイナムコの強さを感じます。
ゲームに馴染みのない人には意外かもしれませんが、
やはり日本3位の実力は相当なものです。
なお、いずれの会社も部署による風土の違いや、業績が異なる為
転職の際は部署ごとの対策をおすすめいたします。
部署ごとの詳細な情報は、転職エージェントに聞くのが最も良いでしょう。
転職エージェントに関してまとめた記事はこちらからご覧ください。
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