2021年4月6日 2021年11月11日
目次
IT総合企業の名残
この記事では、DeNAの転職を考えている方向けに
採用基準と、向いている人材及び向いていない人材をまとめました。
DeNAは様々な事業を展開していますが、
この記事ではゲーム分野に関してご説明いたします。
記事の信頼性ですが、筆者はゲーム業界に15年以上在籍しています。
特にゲーム大手に関しては何社と経験し、情報網も多岐に渡ります。
また、派遣社員、業務委託契約、契約社員、正社員と全ての雇用形態を経験しております。
そんな筆者の観点から、他のネット記事には無い情報をメインに記事を作成しました。
コナミに転職を検討されている方の参考になれば幸いです。
また、当ブログでは他のゲーム大手会社についてもまとめてあります。
ゲーム大手9社をまとめてありますのでこちらもご覧ください。
結論 : 向き不向きについてと採用基準について
DeNAに向いている方
- 能動的に行動し、受け身のみで仕事をしない
- 任天堂タイトルのスマホゲームに携わりたい
- 昇給よりも中途入社時の給与を重視する
DeNAに向いていない方
- 年次昇給を期待している
- 技術的な部分でスペシャリストになりたい
基本情報
会社名 | 株式会社ディー・エヌ・エー DeNA Co.,Ltd. |
従業員数 | 1,839名 |
売上高 | 1369億円(2021年3月期) |
メインコンテンツ | スマホゲーム / 球団経営 / メディア運営 その他多数 |
本社所在地 | 東京都渋谷区 |
主なタイトル | ポケモンマスターズ EX / ファイナルファンタジー レコードキーパー |
会社としての特徴
多角的な経営だが実質ソーシャルゲーム頼り
DeNAと言えばゲームだけでなく、球団経営や最近はAI事業も積極的に行っています。
正にITの総合商社とも言える程多角的な事業を生み出しているのが特徴です。
しかし売り上げを見てみると、そのほとんどがゲーム事業である事が分かります。
2021年3月度の総売り上げが1369億円だった内
ゲーム事業は913億円に上ります。
ゲーム事業に関しても、以前はmobageの様な
プラットフォーム型のビジネスを展開していましたが、
現在は他の大手と同じくAppleやGoogleのプラットフォーム上でのアプリ開発になります。
他のプラットフォームに乗ることは集客的には有利ですが、
多額の手数料を持っていかれる為大きな利益にはなりにくいのが特徴です。
実際にmobage全盛期には2000億円あった売り上げも現在は2/3程度にまで縮小しています。
優秀な新卒に1000万円を支給すると噂があった頃が懐かしいですね。
と言ってもゲーム業界の中では平均給与も高く、
こちらの記事にあるように他の大手以上に待遇面では期待できます。
風通しの良い風土がありつつも、保守的なタイトル
DeNAと言えば風通しの良い風土が特徴です。
ゲーム業界は大手になるほど保守的な風土があり、
実際堅い空気の会社がほとんどです。
DeNAは年齢やキャリアに関係なく意見を言い合うことが出来る数少ない会社です。
裏を返せば、意見を求められた際にはしっかりと言えることが大切です。
しかしその風土の割には保守的なタイトルが目立ちます。
ポケモンマスターズEXやファイナルファンタジーレコードキーパーといった
他の大手IPと組んだタイトルが柱を担っており、自社IPの開発に積極的とは言えません。
このブログでは再三お伝えしている事ですが、
新規自社IPを開発する事は大変重要でありながら、高いリソースを消費する行為です。
現状のDeNAの状況を見る限り、今後も新規IPの活性化は進まないでしょう。
失速したかつての勢い
DeNAは2013年に過去最高益を更新した後、2020年まで右肩下がりの業績となっています。
しかし2021年3月期に盛り返し、ここからの数字が期待されます。
しかし以前の環境を知る人からすると失速感が否めません。
ランチ無料の福利厚生や、各自複数台配布されていたiPad等の機材の回収など
細かい点が見直されています。
ゲーム以外の事業が不調である点に加え、
ゲーム事業に関しても先が明るいわけではありません。
ソーシャルゲーム自体の市場が飽和しつつあり、
他の大手タイトルの競争が激しく
最早一時のバブルの様な空気は市場全体から消えています。
こうした中でいかに自社IPを育てつつ、
ゲーム事業以外の柱を作れるかがカギになるでしょう。
これからゲーム事業に入りたいという方は、
それなりの経営状況であることを認識した上での転職をおすすめいたします。
向いている人材
能動的に行動し、受け身のみで仕事をしない
DeNAと言えば、仕事にフルコミットのイメージがかつてありました。
現在は時代の流れとともにホワイト化が進んでいますが、
今でもメガベンチャーの気質は残っています。
能動的に行動し、ロジカルな考えで説明するのがDeNAの精神です。
仕事に対して受け身で行動する人にとっては合わないでしょう。
会社の風通しも良く、意見交換をしっかりと行う風土です。
自身の考えをはっきりと持って仕事が出来る人にとっては
ゲーム大手の中でもおすすめです。
任天堂タイトルのスマホゲームに携わりたい
DeNAのタイトルの中でも柱となっているのが
任天堂とのコラボIPです。
数年前に初めてマリオがスマホゲームに登場しましたが、
その頃から開発はDeNAが担っていました。
Super Mario Run、Mario Cart Tour、どうぶつの森ポケットキャンプといった
任天堂のIPを用いたゲームを作っています。
任天堂の本社は京都なので、
都内で任天堂IPに関われるというのも大きなメリットです。
今後も任天堂とのコラボレーションは続くと思われるので、
IPに興味がある方にはおすすめです。
昇給よりも中途入社時の給与を重視する
こちらの記事でも書きましたが、
DeNAはゲーム大手の中では高給な部類に入ります。
特に高給である理由が、中途入社時の給与の高さです。
キャリアがしっかりと認められればゲーム大手の中では十分な給与が期待できます。
しかし昇給はあまり期待できません。
人事評価制度としても昇給をバンバンさせるものではなく、
中途採用時の給与から大きく上がる事は稀です。
また、賞与に関しても年1か月分しか出ない為、月給の高さが際立ちます。
逆に言えば会社の業績に左右される部分が少ないと言えるでしょう。
残業代は見込み残業代に含まれています。
給与を重視する場合は、入社時の年収を強気で訴えましょう。
向いていない人材
年次昇給を期待している
上記でお伝えした通り、入社時の年収から上がることはあまり期待できません。
他の大手ですと年功序列の会社の場合は40歳位までじわじわと上がります。
ですがDeNAの場合は年次昇給という枠組みはなく、あくまで実力ベースです。
ちなみにDeNAの場合、役職=給与の上乗せではありません。
役職はあくまでただの役割であり、役割が終われば解除される場合もザラです。
出世の為のものではないので、そこを認識しておきましょう。
役職が低い人の方が実はもらっている、というパターンは往々にしてあります。
技術的な部分でスペシャリストになりたい
お勧めできません。
今はだんだんとスペシャリストが重宝される社風に移行していますが、
基本は究極のジェネラリストの集合体です。
優秀な社員が多く、ロジカルな考え方に基づいているため
あまり突発的なスキルを持った社員がいません。
他のゲーム大手ですと「異常なスキルを持った一部の人」が開発の根本を支えていたりするのですが、
こちらは逆に優秀な多勢でゲームを作り上げるイメージです。
その分、ゲームに限らず様々な事業展開が出来たり
屈託のない意見の言い合いが出来たりするわけですが、
スキルアップに関してはあくまで自助努力です。
しかし極端なスキルが求められるプロジェクトは多くありません。
ハイエンドゲームや世界的なオンラインゲームを作る訳ではなく
あくまでIPもののスマホゲームです。
もし圧倒的な尖ったスキルを伸ばしたいのであれば、
スクウェアエニックスや小島プロダクション、ポリフォニーデジタルをおすすめいたします。
まとめ:抜本的な改革が必要か
いかがでしたでしょうか。
DeNAは何と言っても創業者である南場氏の圧倒的なカリスマ性で
ここまで大きくなったのが特徴です。
その勢いは2013年まで凄まじいものがありましたが、
現在は正念場と言える状態になっています。
キュレーションメディアの問題で大変だった時期を乗り越え
今ようやく上向きの希望が見えている状態です。
その中で必要なのは間違いなく強力な新規IPでしょう。
今までも出しては来ていますが、数字には表れていません。
この状況を打破するには、抜本的な見直しが必要ではないでしょうか。
あの頃のDeNAの勢いが復活する為にはゲームの作り方そのものを考え直すべきです。
当ブログではDeNA以外にもゲーム大手会社についてまとめてありますので、
併せてこちらからご覧ください。
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